2005年10月15日更新

尿漏れ対策および皮膚のトラブル


尿漏れ対策
ウロストミーにとっての最大の悩みは、尿漏れの対策です尿漏れの心配のあまり、外出が億劫になり、家に引き篭もりがちになり、社会復帰が益々難しくなってしまいます。
正しく面板の貼りつけ処理を行えば、尿漏れの悩みは解消します。
尿漏れの問題は、次の状況が原因と思われます。


面板の穴とストーマの寸法と合わない
ストーマ装具メーカーのガイダンス、あるいは、日本オストミー協会主催のセミナー等では、皮膚障害を避けるために、面板の穴の大きさは、ストーマが皮膚から出ている部分の大きさに寸法を合わせることを指導していますが、ストーマギリギリですと、面板の縁でストーマを傷つけることがあるのと、ストーマが比較的低い人(筆者は、約5mm位)は、日常活動中にストーマが面板の下へ潜ってしまい、ストーマは、常に湿っているために、面板の下側を溶かしながら、尿漏れとなってしまいます。
したがって、筆者は、周囲を2mm〜3mm程度空けてストーマが真中へ位置するように面板を装着しています。
なお、尿を吸収し膨張するタイプの面板を使用するときは、やや大きめにカットすることをお薦めします。長い間使用しているとストーマの端を覆ってしまうことがあり、尿漏れの原因となります。
 
板の裏にペーストを多く塗りすぎている
ペーストは、尿漏れをブロックする土手のように機能しますが、一日で、尿によって洗い流されてしまいます。
したがって、ペーストを塗った部分が空洞となり、そこから尿が漏れてしまいます。
筆者は、入院中および退院後しばらくペーストを面板に塗り、面板を装着しましたが、退院後半年経ってからペーストの使用を止めました。
ストーマ周囲の皮膚が比較的平坦な人は、ペーストを使用する必要がないと思われますが、一度、ペーストを塗らない方法を試してみる必要があります。
ペーストと溶けたカスが糊状になり、尿の通り道を遮る
前述のペーストは、尿の流れで洗い流され、さらに、面板の溶けたカスを糊状にしてしまい、糊状になったカスがパウチの内側に付着し、ストーマの周囲を覆ってしまいます。
毎日、入浴時に、パウチを外して、ウェットティッシュで、その糊状のカスを取り除かないと、尿がパウチの中に流れず、面板の下を押し分け尿漏れとなります。
ペーストを使わなくなってから、面板のカスは、糊状にならず、やはり面板の内側に付着しますが、ストーマを覆うようなことはありませんが、毎日、入浴時に、パウチを外して、ウェットティッシュで、そのカスを取り除く方が衛生的です。
 
毎日、定期的にパウチの内側に付着した面板の溶けた白いカスを拭き取りましょう
入院時に、ペーストの使用を指導されますが、前項のようになれてきましたら、ペーストは、必要がなくなります(但し、ストーマ周囲にくぼみ等がある場合は、ストーマ外来等で相談のこと)。
ペーストを使用していなくても、新しい面板とパウチを交換後、1日目は、新しい面板の内側カット面の縁を尿で溶かされふやけて土手状に盛り上がりパウチに付着してしまいます。
特に1日経過したところで、そのカスを取り除くことを怠ると尿が吹き出る圧力で、面板の下へ尿が漏れだします。
特に、ストーマ周囲にシワのある方向へ尿が漏れ出す原因となります。
筆者の尿漏れ経験は、必ずストーマ右横から起こっていました。ストーマの右側がすこし窪んでいて尿漏れ原因となっていたことが判明しました。
また、尿漏れを起こす時間は、丸1日経って、しかも、いつもより尿の量が多く、拭き取る時間(入浴の時間)が遅くなってしまった時に起こることが判りました。
 
尿漏れの原因と対策事例(その1)
 
面板を装着する前に、皮膚の表面をきれいに拭きとっていない
面板交換時は、皮膚の状態を観察し、皮膚の手入れをすると思われますが、リンデロンVローションを付け過ぎたり、パウダーを付け過ぎたりすると、面板の接着効果が悪くなります。
まずは、皮膚をリードペーパー等で汗・湿気を拭き取ります。そして、リンデロンVローション、パウダーを少量塗り、また、リードペーパー等で、拭き取ります。最後に、キャビロン・スプレーで皮膜をつくり、面板を貼りつけます。
 
就寝時に使用する夜間用蓄尿袋とパウチがキチンと接続されていない
まず、夜間用蓄尿袋の管の先を折れ曲がらないように、通常使用するパウチの排尿口に持っていき、夜間用蓄尿袋の管の先をコネクタでキチンを接続します。
また、ツーピースタイプの面板とパウチを使用している場合は、フランジ面がしっかりハマッテいることを確認してください。
通常使用するパウチの排尿口は、パジャマの前開きのところから出して、夜間用蓄尿袋の管の先と接続すれば、左右に寝返りを打っても尿漏れの心配は有りません。
外出時は、専用ベルトを装着することにより面板に負担をかけません
外出時や運動をするときは、心配であれば、面板専用ベルトを装着してください。
パウチ内の尿の重みで面板がズレルことがあります。専用ベルトをしていれば、少々の激しい運動をしても尿漏れにはなりません。
最近の専用ベルトの利用状況を分析しますと、ストーマ周囲にシワを作るような姿勢(極端に前カガミ)をしなければ、専用ベルトの着用は、必要ないような気がします。これも個々人によって、状況が異なりますので、まずは、専用ベルトを外して2〜3日行動してみて、問題なければ、思いきって専用ベルトを外しましょう。
ストーマ装具の不良による尿漏れ
前項までは、装着時の対応での不具合を生じていましたが、ストーマ装具の不良品によることがあります。
この場合は、必ず、不良品と不良品が納められていた箱を販売店へ返品してください。ストーマ装具を着用後、不良品に気がついた場合がほとんどですので、一旦、外して、パウチは、簡単に水洗いして返品してください。
また、箱も内容物すべて使用するまで処分せずに保管しておくことが重要です。箱には、ストーマ装具の製造番号・製造年月日等の情報が記載されていますので、メーカーへの改善要求ができます。
我々にとっては、ストーマ装具は、身体の一部のため、不良品を販売されては、大変迷惑を被ります。メーカーへの改善要求のために是非、億劫がらずに返品を行うようにしてください。

特に次のような不良が生じる場合がありますので、確認が必要です。
1)パウチの縫い目から尿漏れが生じる。
2)面板の接着面が古くなり接着力が落ち、剥がれやすくなる。


皮膚のトラブル
皮膚のトラブルは、尿漏れおよび面板の交換時期等との関係があります。
まずは、痒みを感じた時には、面板を長く持たせようと思わず、すぐに交換することです。
交換時期に、ストーマ周囲の皮膚をよく観察し、日常のストーマケアをキチンと行ってください。
湿疹等が広がり、悪化するような状況になったときは、すぐにストーマ外来へ相談することをお勧めします。


毎日の皮膚のお手入れの励行
毎日、入浴時に、ストーマ周囲の皮膚を観察し、リンデロンVローション(泌尿器科処方薬)、パウダーでの処理をこまめに行うことです。
リンデロンVローションは、湿疹や細菌による皮膚の炎症やかゆみを抑えるステロイドなので、頻繁に使用しない方がよいと思います(主治医にご相談ください)。
通常は、保湿クリームをストーマ周囲に擦り込み、パウダーで処理をし、最後にキャビロン・スプレーで皮膜をつくります。
ストーマ周囲観察のために、ツーピースタイプの装具をお勧めします。
※尿管皮膚瘻およびカテーテルを使用した方は、パウダーを使用しない方がよいようです。
尿管やカテーテル内が目詰まりする恐れがあります。
 
痒みを生じたら、すぐに面板を交換し、ストーマ周囲の皮膚を洗浄
季節によっての汗のかき方、面板の貼りつけ日数によって、状況が異なりますが、カユミを生じたら、すぐに面板の交換をお勧めします。
面板の交換は、入浴時に行うことをお薦めします。入浴時は、ストーマが剥き出しになった状態なので、洗い場で、ストーマおよび周囲を温水シャワーを当てて皮膚を刺激します。次に、ガーゼに弱酸性の石鹸をつけて、ストーマ周囲を丁寧に洗います。さらに、両掌に弱酸性の石鹸をつけてストーマ周囲をマサージします。これは、皮膚の血行を良くし、出来るだけ皮膚障害を起こさないための予防策です。入浴後、皮膚の状況を観察して、状態が良ければ皮膚用被覆材セキューラDC(スミス・アンド・ネフュー梶j)を塗るか、カユミを伴うようであればリンデロンVローションを塗ってから、乾いたところで、パウダー処理をします。
【セキューラ製品パンフレット】
 
面板交換時のスキンケア3点セットを参照ください。
 
なお、水道水の温水シャワーは、塩素分が含まれていますので、皮膚に悪影響を及ぼす可能性があります。
できれば自然水(湧き水)に変化する活水器をメータボックス直後に取りつけると全ての蛇口から肌に優しい水が供給され、スキンケアにも効果が上がります。
 
ストーマ外来は、定期的に通院
皮膚の湿疹、かぶれがひどくなったときは、ストーマ外来の看護師さんへ相談することが重要です。
また、面板の接着剤が合わないことがありますので、状況をキチンと説明の上、相談してください。
 
日本オストミー協会主催のセミナー(説明会・相談会)で情報収集
日本オストミー協会各支部主催のセミナー(説明会・相談会)等で、専門医がそれぞれの分野で講演を行っています。また、相談コーナー等で、日常の悩み毎の相談に乗ってくれます。
社団法人日本オストミー協会本部へお問合せの上、所属の支部をお尋ねください。
 
乾燥肌の対策
乾燥性皮膚の症状をお持ちの方は、面板の貼り付け状況でかゆみを誘発される場合があります。
入浴時、石鹸でゴシゴシ擦らずにガーゼか手のひらに石鹸をつけて身体全体をやさしくなすります。
入浴からあがってから、身体が乾いたところで、かゆみ止めクリームをうすくぬると身体全体のかゆみが和らぎます。
また、セキューラDC(スミス・アンド・ネフュー梶jという皮膚用被覆材があり、ストーマ周囲の皮膚が乾きやすいオストメイトにお勧めとのこと。面板の下に塗り付けます。
特に皮膚が弱い方は、面板の縁が皮膚に触れてかゆくなりますので、予め、セキューラDCを全体に塗ってマッサージをしてください。
 
乾燥肌のスキンケア(2003年1月24日(金)「NHK生活ほっとモーニング」にて放映)
乾燥肌は、11月から翌春の桜の咲く頃までつづく。
男性は、50歳頃からかゆみの症状が出始める。
1)室内の乾燥に注意!

湿度が40%以下になると乾燥注意。
室内の温度を上げすぎると湿度が下がる。
コップ一杯の水(200cc)をタオルに湿して室内に架けるだけで乾燥を防ぐことができる。
2)ゴシゴシ体を洗わない!
お湯でかるく洗い流す(ホコリ、汗、アカが取れる)。
お湯+石鹸で軽くマッサージ(皮脂、油汚れが取れる)。
洗った後は、よくすすぐ。
ゴシゴシこすると「角質細胞(皮膚の第2バリヤー)」を壊してしまう。
その結果として、どんな状態でもかゆみを誘発する。
入浴中のお湯はヌルメに(39度から40度C)、長湯は控える。
3)保湿剤をこまめに塗る!
こすらず、やさしく塗る。
お風呂、水仕事の後は、必ず保湿剤を塗る(10分も経つと乾燥症状がでてくる)。
保湿剤は、白色ワセリン系で、自分に合ったものであれば何でもよい。
 

日本経済新聞(2005年1月22日)記事「乾燥肌の大敵」(PDF495kB)


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